「んな、小っちぇえモンで……時間、なかったから、既製品だし……安、くはねえけど、でも、この屋敷に比べたらぜんぜん安モン、で」
言い訳並べたててたら、呼吸が苦しくなるくらい悲しくなってきた。俺はなんでこんなことしかできないのか。
「スゲエ選んだんだ、けど、俺こういうの、わかんねー、から……今までは全部、あんたが選んでくれた、し」
……本当に、渡さなきゃ良かった。とんでもなく惨めだ。
言葉が続かなくなってうつむいた俺を、背後からルキーノが抱き締めた。
「ありがとう」
「―――礼、とか……あんた別に、そんなの貰っても」
「俺が今どれだけ嬉しいか、このまま注ぎ込んだらお前が死んじまうからやめるがな。……嬉しいんだ、わかるだろう。お前が、選んでくれた―――」
噛み締めるようなその声は、嘘偽りなく穏やかで、……幸せそうで。
俺まで嬉しいような、でもやっぱり気恥ずかしいような気がして、ルキーノのほうから顔を背けた。
「で、も、別に、ただのタイピンで」
ルキーノが呆れたように笑う。
「まったく気にしいだな、うちのわんこは。……ああ、いいこと思いついたぜ」
「……な、んだよう?」
「ただのタイピンじゃなくすりゃあいいんだろう。―――ほれ」
俺がわけわからないでいる間に、ルキーノは再びスカートの前を捲り上げた。
不意打ちに喚く。
「何して、っ、む、ぐっ!?」
「ほらちゃんと口閉じろ、落とすなよ」
怒鳴ろうとして開いた口の中に裾布を押し込まれる。その後ろからルキーノの手ががっちりと腰を抱え込んだ。
自分の口でスカートを持ち上げたままの格好で固定されてしまい、呻く。
「何、ふる―――」
何するんだと言いたかったのに、くぐもった声しか出ない。
俺が裾布を吐き出そうとする目の前で、ルキーノはラベルピンをつまみ出し、箱だけまたエプロンのポケットへ入れた。
「ふぐっ」
布を口に押し戻したルキーノが、低い声で耳元にささやく。
「暴れるなよ―――危ないからな」
何が、と訝る間もなかった。
露出した俺の先端に、ピンの飾りがついていないほうが押し当てられる。
まさか―――
「っやだあ! あ、ああ、あ!?」